「豊かな暮らしに恩恵をもたらす緑陰樹の維持管理」

日 時:令和7年10月24日(金) 13:00~17:00(受付開始12:30~)

場 所:大阪歴史博物館4回講堂(大阪市中央区大手前4-1-32)

参加費:無料(定員250名)
申込み:下記URLより申し込みの上、会場へお越しください。
    https://kokc.jp/e/be6f2aa98b66e5e087dc379a89fce4df/

主 催 :(特非)おおさか緑と樹木の診断協会
(一社)日本樹木医会大阪支部
(一社)街路樹・都市樹木診断協会関西支部

【第10回街路樹・都市樹木研修会 -豊かな暮らしに恩恵をもたらす緑陰樹の維持管理- 開催概要】

 COVID-19の影響により4年間の中断をはさみましたが、お陰様で当研修会は10回目を迎える事となりました。これまで多くの皆様にご参加頂き高い関心を寄せて頂いたおかげです。ご協力、ご後援頂きました各団体ならびに参加頂きました皆様に厚く御礼申し上げます。

 猛暑は年々激甚化しており、今夏は街を歩くのが危険な水準まで気温が上昇しました。そのような中、街路樹をはじめとする都市樹木は、木陰をもたらす「緑陰樹」としての役割が増大し、なくてはならない存在となっています。反面、近年は倒木などによる事故も多発しており、その維持管理のあり方が問われるようになっています。緑陰樹を適切に育みながら事故を未然に防ぐにはどのような維持管理が望ましいのか、当研修会を通じて皆様の参考になればと願う次第です。

 なお、前回までこの研修会は「街路樹研修会」としていましたが、10回目を迎える今回より「街路樹・都市樹木研修会」とタイトルを変更することになりました。公園樹の維持管理についても関心が寄せられ、街路樹診断が都市樹木全般に適用されるなど広がりをみせている現状に応じるべく、研修会のタイトルを変更することになりました。

【プログラム】

主催者挨拶:NPOおおさか緑と樹木の診断協会 理事長・大槻憲章
司会/趣旨説明:一般社団法人 街路樹・都市樹木診断協会 関西支部長 堀内大樹

「倒木等による事故に関する全国調査結果等について」

 片山壮二(かたやまそうじ) (国土交通省都市局 公園緑地‣景観課長)

 都市公園において倒木等による事故が発生している状況を踏まえ、令和6年度に実施した全国の倒木・落枝による人身・物損事故や樹木点検に関する調査結果、及び公園樹木に係る国土交通省のこれまでの取り組みや動向等についてご紹介頂きます。

「神戸市の街路樹の現状と取り組み」

 榎本剛浩(えのもとたかひろ) (神戸市建設局公園部整備課 係長)

 神戸市では1971年から市街地の3割緑化等を目標とした「グリーンコウベ作戦」の展開により街路樹が飛躍的に増加し、都市景観は緑豊かに変化しました。一方で、大木化や老木化に伴う不具合が増加しているものの、必要な人員や維持管理予算が追い付かないなど、様々な課題も生じています。これを受け、神戸市街路樹再整備方針を基に街路樹の「適正化」と「高質化」に取り組み、また、「こうべ木陰プロジェクト」の推進や安全点検の強化等を通じ、安全で美しい街路樹づくりを目指しています。これらの取り組みをご紹介いたします。

「街路樹の整備・管理の適正化と地域理解」

 赤澤宏樹(あかざわひろき) (兵庫県立大学 自然‣環境科学研究所環境計画研究部門 教授)

 街路樹の更新にあたって、地域の魅力や住みやすさの向上と、維持管理の効率化・省力化を両立させる、整備・管理の適正化が求められている。しかし実際には、長年親しんできた街路樹の伐採に対する抵抗感や、事前の情報共有不足に起因する、地域住民の批判的な意見が少なくない。このような状況は、更新後の街路樹への愛着の低下や維持管理への理解不足を招き、結果的に管理コストの増加や地域との信頼関係の低下につながる恐れがある。本講演では、街路樹更新をめぐる合意形成の課題と、将来にわたり持続可能な管理を実現するための方向性について考える。

トークセッション/質疑応答:
講演頂いた先生の皆様にパネリストになって頂き、皆様からの質問を交えながらトークセッションを開催します。
閉会挨拶:一般社団法人 日本樹木医会大阪府支部長 西胤玲仁